子どもたちの健全な咬合育成を行う歯科医師団体

子どもの咬合を考える会子どもの咬合を考える会

子どもの予防矯正治療は、全国で受けることができます。お近くの会員医院にご相談下さい。

【子育て10ヶ条】新生児期・乳幼児期編

      2018/09/10

子どもの咬合を考える会が推奨する
「不正咬合を予防する子育て10カ条・新生児期・乳幼児期編」をご紹介します。

是非プリントアウトしてご家庭でお役立てください。



 

資料のダウンロードはこちらからどうぞ

資料
【条文のみ】PDFをダウンロードする
資料
【条文+説明文】PDFをダウンロードする

 

「不正咬合を予防する子育て10カ条・新生児期・乳幼児期編」

第1条 赤ちゃんの頭がのけぞらないよう、背中をゆるやかに丸く抱っこします。

赤ちゃんはおなかの中で、背中全体を丸くして手足は立体的なWM型をしていることから、このWM姿勢を基本にして抱っこします。
赤ちゃんが頭をのけぞらせるような姿勢は赤ちゃんの口が開いて口呼吸姿勢となってしまいます。
脚をM字開脚にして背中はゆるやかにまるく安定するように抱くことで赤ちゃんの口は自然に閉じ鼻呼吸できます。
赤ちゃんのからだが左右対称に育つよう、授乳姿勢、睡眠姿勢や枕等に気を付け、添い寝の定位置化も避けます。


第2条 赤ちゃんを寝かせる時はうつ伏せ寝や横向けにしません。

うつ伏せ寝や横向き寝は頭や顎に偏った力がかかります。
長時間眠る赤ちゃんでは頭や顎の発育、歯列の発育を容易に歪ませます。
また、うつぶせ寝や横向き寝は口呼吸を助長します。
赤ちゃんの全身が左右対称的に健やかに発育するよう注意します。


第3条 ハイハイを十分にさせます。

ハイハイは頭を支える背骨の発育を促し、体幹を育てる重要な発育段階です。
頭部が不安定ではしっかりとした咀嚼はできません。重い頭を支える首から背骨、そして足の発育のためにハイハイを十分にさせます。早く立たせること、歩かせることはよくありません。
首すわり→寝返り→ハイハイ→お座り→つかまり立ち→あんよの順番の飛び越しはよくありません。
それぞれの段階は次の段階の準備期間なのです。じっくり見守ります。早く歩き出した場合は裸足で四つん這いになる等の遊びをふやし背骨を育てます。
自然な鼻呼吸は正しい姿勢から促されます。足の指をまっすぐに育て、5本の指で体重を支えることで、正しい姿勢を保つことができます。
家の中では靴下は履かずに裸足で過ごし足指をよく育てます


第4条 大きな口を開けて深く乳房をとらえてお乳を飲ませます。

赤ちゃんがしっかり口を開けて深く乳房をくわえていることが大切です。
赤ちゃんがおっぱいを飲む行為は栄養のためだけでなく口の周囲の筋肉や舌を使い、咀嚼・嚥下の練習をしているの です。
母乳を与えることが難しい場合は母乳に近似した人工乳首を使用します。
授乳は赤ちゃんとの大切な触れ合いの時間です。赤ちゃんの表情を確かめながら赤ちゃんに向き合う時間にします。
卒乳は一人歩きができる頃をめやすにします


第5条 赤ちゃんの唇、口の中も積極的に触れ、授乳後には口の中を清潔に保つようぬぐいます

口の周り、口の中は生来非常に鋭敏な感覚器です。
この過敏さを鈍らせ食べ物や食具、歯磨きなどの受け入れをよくします。頬や唇、口の中も赤ちゃんの大好きなスキンシップとしてどんどん触ってあげます。
指しゃぶりやおもちゃなめは口と手の共同作業です。赤ちゃんが興味を示せば取り上げずに積極的にしゃぶらせます。
授乳や離乳食後には口の中を清潔に保つ習慣をつけるためにガーゼや綿棒で汚れをぬぐい、歯磨き習慣へつなげます


第6条 離乳食は月齢ではなくお座りができるようになり、食事に興味を示すようになってから始めます。

頭を自分で支える姿勢(お座り)ができることでしっかりとした咀嚼運動ができます。
家族の食べる様子に興味を示し、よだれを出したり手を出して食べることに興味を示すようになれば離乳食をはじめましょう。
離乳食期は正しく食べる口の使い方を学ぶ時期です。赤ちゃんのお口の状態(唇・舌の動きや歯の数)に合わせて離乳食の形態を進めます。
発育には個人差があるので慌てずに適切な離乳食を与えてお口の機能の段階的な発達を育みます。


第7条 食事中の椅子は足の裏が接地するようにします。

足の裏が接地することで姿勢が安定し重い頭部が支えられ、しっかりとした咀嚼ができます。
足がぶらぶらしないように椅子を調節します。


第8条 赤ちゃんが上下の唇で食べ物をとらえているか確かめます。

咀嚼の始まりは上下の唇で食べ物を捕食することからです。
一口ずつごっくんしていることが大切です。上の唇をきちんと使えるようにしましょう。
離乳食を与える時には口の中に押し込まず、唇でとらえさせるようにします。


第9条 手づかみ食べで食べる意欲を育みます。

赤ちゃんの手をおさえないで自分から食べる動きを引き出します。
散らかして食べるのは限られた期間だけですので汚れても叱らず楽しく一緒に食べましょう。
手づかみ食べができるような形状にして前歯で噛み切り、一口量を覚えさせます。
一口ずつ口を閉じてモグモグと左右均等に噛んでから飲み込んでいるか注意しましょう。


第10条 食事中はお茶や水を控え、食べ物をよく噛み唾液で飲み込むようにします。

流し込み嚥下を予防し、しっかり噛んで正しい嚥下を促し、上下の顎の自然な発育を促進します。
食事中はテレビを消して「おいしいね」と声かけをしながら、家族一緒に楽しく食べます。
水分摂取はスプーンから始めます。上唇で上手にすすることができるようになり、手の発達が伴ってくればコップを使います。
ストロー飲みはコップで上手に飲めるようになってからにしましょう。


歯科健診時に赤ちゃんのお口育てのアドバイスを受けましょう。

赤ちゃんのお口は体の成長・発達同様段階的に進みます。お口の機能(呼吸・咀嚼・嚥下・発語)の発達に飛び級はありません。一人ひとり発達のペースは異なります。

歯科医院で赤ちゃんのお口の育ちのアドバイスを受けて赤ちゃんの頃から不正咬合を予防し健やかな発育を促しましょう。



TOP